20160215 アンコール上映!NTL「真夏の夜の夢」でシェイクスピア入門をしました。
ル・シネマでジュリー・テイモア演出版『真夏の夜の夢』を観ました。
2016年1月にル・シネマ(Bunkamuraコクーン)にて鑑賞してきました。昨年末から都内でアンコールがかかり、またル・シネマにて来週2月20日から上映があります。ソフト化の予定がまだ無いそうなのでお見逃しなく。
ル・シネマは飲食できないので、長丁場前にぜひとも腹ごしらえを。(キャップのついた飲み物は場内持込可能です)
「夏の夜の夢」
----------------------------
上映期間:2/20(土)~2/26(金) 連日…18:50~21:25
※上映延長の可能性あり
料金:一般3,000円(税込) 学生2,500円(税込)
※特別興行につき、各種サービスデー・シニア割引・その他の割引は適用外となります。
妖精パックとキャサリンハンター氏
『ガラスの仮面』のいたずら妖精パック扮するマヤのセリフ「ダッタン人の矢のごとく!」持ち前の知識はこれっきし、といそいそ着席。スクリーンにさっそく登場したのがピエロのようなメイクをした人物。彼こそが妖精・パック。自在に動き回ります。
演じるのはキャサリン・ハンター氏です。(まるで男性にも見えるので)彼女は、と書くのもネタバレになりそうですが、彼女を中心にステージ上の立体物が存在しているような気がしました。パックには手を振りかざすと人を眠らせる力があるようなのですが、序幕終幕の所作立振る舞いを思い出すと、観客席に素晴らしい魔法をかけているようにも思い起こされます。
日本ファンにもなじみ深いのはNODA・MAP『THE BEE』や『ダイバー』にも出演していたことでした。本編中にあった赤い照明の中でパックがダンスするシーンは、人々が狂気に飲まれていく『THE BEE』の剣の舞に似ているとも思いました。
”ミッドサマー”のゴールはハッピーウエディング!
原題は『A Midsummer Night's Dream』。Midsummer=真夏、その訳が私たちの脳裏に深く焼き付くほどでしたが、実はミッドサマーとは夏至、ヨーロッパの地域では夏至のお祭りをいうのだとか。2014年宝塚でも本作をアレンジした『PUCK(パック)』のサイトにこんな説明があります。
ミッドサマー
一年間で昼間が最も長い夏至のこと。夏至祭前夜のミッドサマー・イヴには妖精たちが現れ出てくるといわれている。各国で様々な言い伝えがあり、『PUCK(パック)』の舞台イギリスでは夏至祭は男性神と女性神の出会いを祝う意味があるとされ、原作「真夏の夜の夢」の舞台となっているギリシャでは未来の夫の夢を見るといわれている。他にもヨーロッパ各地で縁結びに関係のあるロマンティックな日とされる。
夏至が未来の夫の夢を見る日とは、まさにロマンチックな話で『真夏の夜の夢』には人間の男女4人がおり、神と妖精の夫婦がおり、妖精たちがおり、さらにまた民衆や領主らがいます。
シェイクスピア作品にイメージしていた敷居の高さからか緊張して、序盤眠ってしまいそうにもなりましたが、演出家であり本作監督のジュリー・テイモア氏の力量で衣装やメイク、舞台セットのビジュアル演出の美しさでうっとりしている間にストーリーはハッピーエンドへ。終わりまで楽しくみることができたと思います。登場人物らの愛に喜び嫉妬にさいなまる姿は、遠い昔の話のはずなのに親近感を与えてくれました。
NTL 『真夏の夜の夢』渋谷ル・シネマ ラストシーン。妖精パックが「もし拍手をいただけるなら、いつか舞台でお返しします」(うろ覚)、そういって幕が降りてくると、ル・シネマ劇場内からも拍手が聞こえてきた。やるなあ。初めての経験をさせてもらった。
— 小野寺ひかり (@OnoderaHikari) January 10, 2016
こんな粋な終幕があるなんて、シェイクスピア作品をどんどん読みたく、観たくなりした。ジュリー・テイモア監督の来日インタビューも興味深い。
人間女性二人のセリフが結婚式から無いことについて。花の蜜をかけられていない2人、夢か現実か、あの真夏を思い出すと結婚式の幸せまでも幻と消えてしまうから。そんなロマンチックな話ではなさそうでありますが。ライサンダーとディミートリアスでは、ライサンダーの方がタイプでしたねー。
— 小野寺ひかり (@OnoderaHikari) January 13, 2016
吉祥寺オデオンで『スカイライト』もアンコール上映決定。
『スカイライト』を見てからビル・ナイ氏のこと、どんどん好きになっています。
『スカイライト』
期間:4/22(金)~4/29(金)
時間:2時間42分
今年も『真夏の夜の夢』から、ナショナルシアターライブまで楽しんでいく予定です。