20151005 映画と本と音楽『マイ・バック・ページ』
映画『マイ・バック・ページ』を観ました。
1970年頃、駆け出しのジャーナリスト・沢田(妻夫木聡)と、とある革命家・梅山(松山ケンイチ)の話。社会にうしろめたさを持つ中立のジャーナリストと、計画だけで行動できない青年革命家。
何も変わることなく、革命が終わりかけている。そんな若者らしいモヤモヤとした衝動を無視することできなくて。
事件後、高揚感を覚えます。
そこに登場する、社会部部長・白石(三浦友和)は、スクープだとする沢田の態度に「(革命でなく殺人事件として対応しないと)だめだよ~」とぴしゃり。
思わず私も冷静さを失っていたと気付かされます。
沢田も徐々に冷静さを取り戻していきますが、記者として、人間として、どう歩み直すか。見どころです。
●「きちんと泣ける男の人が好き」
雑誌モデルの倉田(忽那汐里)とのデートで見た映画は、『ファイブイージーピーセス』。ジャック・ニコルソンがラストで泣くらしい。
泣く男は男じゃないと言い切る沢田に、倉田は「きちんと泣ける男の人が好き」と美しい瞳で言い返していました。
すごくかわいいです。
●あのころの僕より、今の方がずっと若いさ
真心ブラザーズの主題歌もかっこいい。原曲になったボブディランの歌もよく聞いていましたが、こんな時代のなかで聞かれていたと知り、ちょっと切ない。
その後、フリーライターとして活動し始める沢田。
ふと立ち寄った居酒屋にいたのは潜入取材で一緒になった昔の仲間。そこでこらえきれず、沢田は涙をこらえることができません。
胸がきゅっとしめつけられるような瞬間です。
ちょっと遠い時代で青春を送った彼らを少しだけ身近に感じることができました。