小野寺ひかりのブログ

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20160708 第70回トニー賞雑感①オープニングナンバー

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振り返ればトニー賞を知ったのはNHKBSの放映だった。4時間の授賞式を見た直後、中学生の私は、ハンドルネームとトニーにしてブログを書くことに決めたのだった。あれから10年以上の月日が経っている。

記念すべき70回目を数えるトニー賞のオープニングナンバーは、舞台に心奪われた少年少女にささげられた感動を呼ぶ内容である。司会はジェームズ・コ―デン氏。両親との観劇がとても好きな太っちょの少年、『レミゼラブル』『オペラ座の怪人』『ライオンキング』『サウンドオブミュージック』……次々とミュージカル界の名作シーン、ナンバーが繰り広げられる。元ネタが知らなくても、ステージは豪華絢爛。

最後には演じることはやめられない!と叫んだ彼の背後には20人ばかりの子供たち。人種も宗教も、性別も異なる彼らだが、瞳の輝きは本物で、そういうのに私は弱い。そして一瞬の暗転後、ノミネートされる俳優・女優の登場に代わる。彼らの心はかつての少年少女と変わらないはず。そして舞台で待ってる、と高らかに歌われたのである。新旧ミュージカルへの愛が伝わる、何度もみたいオープニングナンバーとなった。

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さて、人種、宗教、性別をテーマにしたとなると第88回アカデミー賞白人主義の非難、またドナルド・トランプ氏の発言等を皮肉ったものだろうに、授賞式前日に起きたフロリダ銃乱射事件を思うと、日々の連鎖を感じずにはいられない。

オープニングナンバーの冒頭には、哀悼の意を込めたメッセージが語られている。ジェームズ・コ―デン氏が胸につけた銀バッチもその象徴のようだ。

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今回、11部門獲得の最多受賞となった作品『ハミルトン』のパフォーマンスでも小道具のマスケット銃は差し控えられた。(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003216.000001355.html

些細な出来事などはないのだ。

レミゼラブル』ジャン・バルジャンの生涯もまた悲しみの中にあったが、コゼットを慈しみ間違いなく幸せもあった。日々の連鎖を想うと、ステージで起こる戦争や殺人、事件も決してまやかしや作りではなく、いつ起こるかもしれない現実なのかもしれない。それでもショーは続くし、生きていくのに笑いは重要だ。

②、に続きます。