2060810 今、読んでいる本『古本屋探偵登場』(紀田順一郎)
とてもじゃないが、暑い!
小耳にはさんだ岐阜の気温が40度に近かったというのは、
本当のようで、考えるだけでくらっときそう。
今読んでいる本がこちら→
「殺意の収集」と「書鬼」の二編が収められており、奥付によると昭和57年8月三一書房『幻書辞典』の改題が1985年初版、2012年2刷で刊行されている。『ビブリア古書堂』シリーズの一端で発掘されたもよう。
帯には上記シリーズ著者の三上延氏より「愛書狂たちの凄すぎる争奪戦。これが古書ミステリーの本流です。」とコメントあり。
と、まあ、重要なのは裏側の「殺意の収集」あらすじをおさめた欄で、こんな強烈なセリフは聞いたことがなかった。
--「本探しの極意は熱意ではない、殺意だ」
これは津村恵三という広告代理店勤務の古書マニアの男がもつ哲学で、古書店の静かな空間から殺意、という単語が飛び出してくることに、しびれた!むろん、こんな哲学をもった人間が、どのような古書争奪戦を巻き起こしてしまうか、というのが肝でもあります。
今日からは二編目の「書鬼」を読み始めます。どうも、手にしたステッキの目印のところまで本を買わないと半狂乱と化す老人が出てくるという。暑さよりもこわい、古書マニアの気迫を楽しめるかと思うと今からわくわくしてしまうのであります。
20160708 第70回トニー賞雑感①オープニングナンバー
振り返ればトニー賞を知ったのはNHKBSの放映だった。4時間の授賞式を見た直後、中学生の私は、ハンドルネームとトニーにしてブログを書くことに決めたのだった。あれから10年以上の月日が経っている。
記念すべき70回目を数えるトニー賞のオープニングナンバーは、舞台に心奪われた少年少女にささげられた感動を呼ぶ内容である。司会はジェームズ・コ―デン氏。両親との観劇がとても好きな太っちょの少年、『レミゼラブル』『オペラ座の怪人』『ライオンキング』『サウンドオブミュージック』……次々とミュージカル界の名作シーン、ナンバーが繰り広げられる。元ネタが知らなくても、ステージは豪華絢爛。
最後には演じることはやめられない!と叫んだ彼の背後には20人ばかりの子供たち。人種も宗教も、性別も異なる彼らだが、瞳の輝きは本物で、そういうのに私は弱い。そして一瞬の暗転後、ノミネートされる俳優・女優の登場に代わる。彼らの心はかつての少年少女と変わらないはず。そして舞台で待ってる、と高らかに歌われたのである。新旧ミュージカルへの愛が伝わる、何度もみたいオープニングナンバーとなった。
さて、人種、宗教、性別をテーマにしたとなると第88回アカデミー賞白人主義の非難、またドナルド・トランプ氏の発言等を皮肉ったものだろうに、授賞式前日に起きたフロリダ銃乱射事件を思うと、日々の連鎖を感じずにはいられない。
オープニングナンバーの冒頭には、哀悼の意を込めたメッセージが語られている。ジェームズ・コ―デン氏が胸につけた銀バッチもその象徴のようだ。
今回、11部門獲得の最多受賞となった作品『ハミルトン』のパフォーマンスでも小道具のマスケット銃は差し控えられた。(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003216.000001355.html)
些細な出来事などはないのだ。
『レミゼラブル』ジャン・バルジャンの生涯もまた悲しみの中にあったが、コゼットを慈しみ間違いなく幸せもあった。日々の連鎖を想うと、ステージで起こる戦争や殺人、事件も決してまやかしや作りではなく、いつ起こるかもしれない現実なのかもしれない。それでもショーは続くし、生きていくのに笑いは重要だ。
②、に続きます。
20160513 益子春の陶器市2016で古本屋さんめぐりをしてきました
ここ2~3年のうちにGW恒例行事になっていた
益子春の陶器市5/2(月)に行ってきました。
作家さんの作った陶器が数多く並ぶ、一点ものの陶器市。色や形や風情など本当に個性的な作品も多くどれだけ見ていても飽きないなあと思います。販売会場は坂の下から上まで、徒歩20~30分ほどの沿道と、公園や細道にも点々とあって一日がかりで体力と時間の勝負、勝負。う~ん、今回もタイムオーバーで最後までじっくり見れませんでした!これまでにもお茶碗に箸置きに人形などなど買ってきていて、今回は何にしようか、蕎麦猪口と花瓶が欲しいと決めて散策開始です。
と、あたりを見回すと、益子の町の古本屋さんが近いことに気づきました。これも目的のひとつ。先に3件ほどめぐることにして意気揚々と歩き出すと、驚いたことに初めて古本の神様に祈りたくなるような出来事が待ち受けていました。
・添谷書店
ここが陶器、焼き物の書籍を数多く扱う新刊書店でありながら、休憩スペースには古本箱が並んでいてホコリっぽい本をレジに持っていく度に店の女性が「悪いわね~」というように布や手でパタパタとしてくれるのも、毎年毎回の恒例に感じていました。
→タビモノ 2012:益子 vol.2 「添谷書店」 | スーベニアプロジェクト|SOUVENIR PROJECT
机の下の箱々は古本、しかし今回訪れるとすっかり無い!
→4/14栃木・久々の益子で冷雨と古本にまみれ二店!: 古本屋ツアー・イン・ジャパン
2012年に置き始めたようなので、もしかすると撤退?なんだか店の中をぐるっと回っても見つからず、なんだか尋ねるのも悩ましく次回訪問時に賭けようかな。(あると嬉しいのになあ)
・ハナメガネ商会
古民家にある古本屋さん、風通しがよくて居心地いいかんじ。レトロ雑貨を眺めつつ、ハードカバー版小松左京『こちらニッポン…』(朝日新聞社)を100均一棚から購入。少女漫画付録もあって、三原順「はみだしっ子」のメモパッドには悩まされました。
・内町工場
界隈のひとつに、またしゃれた建物で雰囲気のいい内町工場は古道具もあり。
源氏鶏太『宴会屋さん』(春陽文庫)と須賀敦子『コルシア書店の仲間たち』(白水ブックス)をゲット。古本の神様は見捨てていない!と調子に乗ったことを思った次第です。
・移動本屋 ペンギン文庫
5/1(日)までで、遭遇できませんでしたが旅する本屋さんも陶器市に登場していたようです。かわいいトラック、実際に入ってみたい。
そんなこんなで陶器市。
近隣の神社で「ザ・ミステイク」と失敗作品の入札オークションを設けていました。本来なら割られちゃうのでしょうか。少しのひびや釉薬の色が”失敗”になるなんて、なかなか陶器の世界も奥深いもの。オークションするにしても値段付け、とても難しくてできません。
私の生活感にあった、花瓶はこんな感じ。
宇宙色みたいだなあと思って飾っています。一気に買いすぎたような?
蕎麦猪口はそうめんのめんつゆにも使えたらいいかな。ゲットしてなかなか満足の買いものできました。お昼にカレーそばという、そばにカレーをつけて食べる、こちらもなかなかのシロモノを食べたので家でもチャレンジしたい、なんて目論んでいます。
また次回も益子を巡り倒したい!